『九重櫻』は、大正から昭和にかけての全国酒類品評会で、唯一、最高の「名誉大賞」に輝いています。ほかにも国内外において数々の賞を受賞し、その名声は天下に知られ、元祖三河みりんとして確固たる地位を築きました。
本場三河みりんの銘醸蔵として、伝統に培われた技術にさらに磨きをかけ、多くのご要望にお応えすべく、ここに復元版『九重櫻』をお届けいたします。
選び抜いた原料を使い、丹精込めた醸法のエキスとも言うべき、えもいわれぬ芳醇な風味は、必ずや識者のご満足を得るものと存じます。ともかく、口中で吟味して、お料理にお使いいただくことをおすすめします。
- 良質のもち米を精白、洗米、浸潰し、じっくりと蒸します。同じように、うるち米も蒸しを行い、昔ながらの醸法で米こうじを造りあげます。九重櫻のこうじは、種つけから二昼夜にわたり、細心の注意を払って香りが高く酵素力の強いこうじへ。このこうじの香味成分と、もち米の成分が溶け合い、上品な甘味と香り豊かな本みりんの成分を醸成します。
そして、酒もろみを蒸留して造られた本格焼酎を加え、仕込みあげます。これをもろみといい、2~3カ月もの間、ゆっくりと糖化熟成させます。
- 仕込み方法、もろみ管理は、伝承の技術に近代的な技術を加え、編み出したものです。
じっくりと熟成されたもろみは、選び抜いた原材料が互いにそのよさを高めながら溶け合っており、砂糖などにはない上品な甘味を持つブドウ糖や、コクのあるアミノ酸が多く含まれています。
そして、これを圧搾機でしぼり、みりんとみりん粕とに分けます。
- しぼったみりんは、長期間タンクで貯蔵することで、さらに熟成がすすみ、美しい黄金色へと変化します。ろ過して一層つやを高め、製品となります。 あらゆる品質管理は、熟練の技術者や工場管理者によって行われ、厳しいチェックにパスした製品のみ、『九重櫻』としての出荷が許可されます。
九重味淋は、始祖石川八郎右衛門信敦の味づくりの心をかたくなに守り続けることで、『九重櫻』独特の素晴らしい香りをつくりあげているのです。